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車内販売の食事。
食事時になると食堂車から車内販売用の食事を持って係員がまわってきます。必要であれば購入すればよいのですが、コンパートメントの扉を閉めていると通り過ぎて行ってしまいます。係員が後で食器を下げに来ますので、「ザーフトラ(ロシア語の明日の意味)」などの簡単な言葉を言っておけば、明日も扉をノックして声をかけてくれます。食堂車に行くのも良いのですが、重い扉を開け閉めしながら、恐ろしい連結器の上を寒い思いをして行くことを考えると、このサービスを利用したくなります。 |
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オムスク駅。
ハバロフスクから5,815km西にやって来ました。3分の2を乗車して来たことになります。ハバロフスクから途中下車せずに乗って来ますと5日目の朝に到着します。どうやら3時間位遅れているようです。しかし、大陸をのんびり列車で旅する人は時間を気にしていてはいけません。朝食の頃ですので駅の売店も人でいっぱいです。 |
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キーロフ駅。
ハバロフスクから7,574km、モスクワまで957kmの所です。残念ながらウラル山中にある、ヨーロッパ・アジアの境を示すオベリクスを見ることは出来ませんでした。ソ連の人の多くは、列車の中で食べる分の食料を持って乗るようです。そして、その食べ物を同じコンパートメントの人達にも分けて食べるようです。私もいろいろな物をいただきましたし、持参したカップラーメンやお菓子等をあげたりしました。コンパートメント内に一つのルールができ、食事時になると暗黙の了解で食べ物がテーブルの上に出され食事が始まります。 |
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「時間を気にしていてはいけません。」などと言っていたら、6時間近く遅れて走っていました。モスクワには15時50分の到着予定ですが、未だその気配はありません。陽がだんだん落ちてきました。たくさんの戦車を積んだ貨物列車が無造作に停まっているのには驚きました。戦車は夕陽を受けてこちら側に影を落としています。シベリア鉄道の軍事的役割の大きさを目の当たりにした感じです。 |
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もうすぐモスクワに到着です。ホームも列車のデッキの高さと同じになりました。ロシア号も停車する回数が多くなって来ました。都市部に近づいて来たのでしょう。降りる人も多くなってきた感じです。ようやくシベリア鉄道の旅は終わりです。8,531km・5泊6日の列車の旅は本当に長く実のあるものでした。結局モスクワには5時間近く遅れて到着したようです。トランスファーの係員は待っているのでしょうか?ホームに降りて出口の方へ歩いて行くと、インツーリストのプラカードを持った係員が立っていました。ここでもトランスファーの威力は発揮されました。 |