ソ連をはじめとする東側諸国を旅する場合においては、他の西側諸国を旅することと違い、幾分様々な意味で心構えが必要ででした。私が旅をしたのは1990年11月です。ベルリンの壁が崩壊されからおよそ1年。東西の緊張が緩和されて行く中でも、未だ東欧圏はベールに包まれた部分が多く、情報も思うように入りませんでした。ソ連にはシベリア鉄道という約9,300kmにも及ぶとてつもなく長い鉄路が敷かれています。薄くなりつつも、未だ存在するベールの向こうには何があるのでしょうか。そして、様々な歴史を持ったシベリア鉄道という鉄路は何を見せてくれるのでしょうか。1990年11月09日。自分の見知らぬ世界を体感するため新潟より旅に出ました。 |