モスクワ行ロシア号はイルクーツクを19時42分に出発するはずですが、ご承知の通り定刻に出発する訳はありません。イルクーツクのインツーリストホテルでトランスファーを頼んでいたのは私の他に、アメリカの男性1人と女性2人の計4人でした。列車の遅れから集合時間が数回変えられ、時計は21時近くになっていたと思います。突然、トランスファーの係員が2人来て、私たちに早く自動車に乗るように言うのです（・・・？）。

アンガラ川の橋を渡り左に曲がれば間もなくイルクーツク駅なのですが、車は右に曲がってしまいました。真っ暗な道を20分から30分分くらい走り続け、大きな車庫のような場所に連れて行かれました（・・・？）。遥か彼方に長い編成の列車が静かに停まっています。何とロシア号ではないですか。私たちはロシア号に乗り遅れたのです。係員に荷物を持ってもらい何本もの線路を走りながら横切り、4人がやっとの思いで列車のデッキに這い上がると列車は発車し始めました。

深夜の駅で働く女性。
女性の車掌が多く、24時間体制で勤務していることは既にお話しましたが、駅で列車の運行に携わる女性も多いです。このように深夜でも防寒具に身を纏い、安全服を着て働いている女性をよく見かけました。いかにも社会主義の国らしい光景を目の当たりにします。