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ドーヴァー海峡。
イギリスのフェリー会社のSEALINKでドーヴァーに向かいます。大陸とイギリスの間が最も狭まった所とは言え、やはり大海原です。幸い波も穏やかで快適な船旅です。船の中ではフランスの通貨は使えず、イギリスの通貨のみとなります。船内にはちゃんと両替所もありますが、当然紙幣の交換のみで硬貨は交換出来ません。ところが、硬貨を船内のみで使用できるお金に交換してくれる機械があります。これを利用すれば不要のフランス硬貨を処分することができ、船内での飲食代として使うことが出来ます。本当に便利です。 |
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その昔、大陸の人達がグレート・ブリテン島を白い国と呼んでいたそうですが、その由来となったドーヴァーの白い崖が見えてきました。ドーヴァーには12世紀に建てられたドーヴァー城があり、常にイギリスの軍事的要所になっていました。第2次世界大戦時には多大な被害を受けた所であり、東西の冷戦終結によりその役目が終わったとのことです。様々な思いを浮かべ、不思議な白い絶壁を見ているうちに約1時間30分の船旅も終わりに近づいてきました。 |
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ドーヴァー・ウエスタンドッグ駅構内のLuggage Claim。
航路でのイギリスの入国審査は空路の場合より少し厳しい感じです。陸路続きで入国審査の無いヨーロッパを列車で旅して来ると、余計その様に感じるのでしょうか。特にイギリスでは、大陸からの外国人労働者の不法就労が問題になっている事が背景にあるようです。入国審査後は飛行機で入国した場合と同じ要領で、カレイで預けた荷物がターンテーブルに乗っていますので、それを受け取ってホームへ向かいます。 |
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ドーヴァー・ウエスタンドッグ駅。
停車中の列車はパリ・ロンドン間のfull servicesの一部なので、船の乗客が乗ると出発します。終点のロンドン・ヴィクトリア駅までノンストップで走って行きます。イギリスの古い列車のドアの開け方(造り)はユニークで、向かい合わせの座席ごとに手動のもの(引き戸:写真参照)が付いています。 |
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イギリスの鉄道は蒸気機関車等の非電化時代に多くの鉄道関連施設が造られたため、上部に架線を張る等のことが難しいようです。そのため違う方法で電気をとったり、未だに非電化区間の所が多いようです。地続きで国境を関係なく走る大陸の鉄道と様々な面で異なる点があり、大陸の鉄道で旅を終えてからイギリスに入ってくると同じヨーロッパでも違うところが多く興味深いところがあります。イギリスと大陸とでは、アングロサクソンとゲルマンやラテンなどの民族・文化の違いがあることを耳にしますが、イギリスはヨーロパであってヨーロッパとは違うと言われる意味も少し理解できるような感じもしました。いよいよラストランです。約1時間30分で終着駅のロンドン・ヴィクトリア駅に着きます。 |