大阪・南九州紀行―3―


3日目。この日は熊本市内観光。阿蘇高原鉄道・赤水の駅までまぢまさんに迎えに来てもらい、熊本市内を目指しました。途中、何カ所か渋滞してましたが、無事に熊本市内に到着。ちなみ司書にとって始めての熊本です。

まずは水前寺公園へ。まずカモと鯉の餌を購入。カモも鯉も丸々と太っているだけでなく、呆れるほど食い意地が張っています。観光地ですから鳩も多いんですけど、掌にカモと鯉の餌を置いておくと鳩が手乗りで餌をつつくのが面白かったので、カモにも掌から餌を与えてみました。大きなくちばしでがぶりとやられて痛かった。合鴨を見るまぢまさんの目は料理人の目でした(笑)。土産物屋で朝から熟睡してる猫が2匹。庭園の緑は瑞々しい。

次に熊本城へ。熊本城の造りは質実剛健で、外部からの進入を阻むように迷路状の複雑な通路を形成する石垣が築かれております。石垣の石は大阪城のものに比べると規模こそかなり小さいのですが、堅牢性では遙かに勝っているような気がしました。こうね、きっちり緻密に積み上げているというのがよくわかります。黒い漆喰も美しい。

天守閣の前の広場で、これまたまぢまさんの手づくり弁当をいただく。この日はちらし寿司。美味しかったです。城内を見学しながら地元出身のまぢまさんの解説などにも耳を傾けたりしてましたが、小学生の団体さんのお陰で途中から賑やかなこと、賑やかなこと……。いや、もう子どものエネルギーには敵いません。

ボチボチと見物を済ませて城外へ。それから旧細川刑部邸へ。途中で本丸跡地を通過するのですが、本丸というのは大名の居住区だったりして、その広さに驚きながらも「こんな広い土地を独占してたなんて、許されへんな」などとやっかんだりする。旧刑部邸はそれほど広くありませんが、でも今の建て売り住宅よりも広いし、調度もええもんを使ってます。今は色褪せているけれど、当時はさぞ鮮やかな色だったことを思わせるような展示物。漆塗りの風呂桶と腰掛け。襖や掛け軸などを堪能。庭も良かった。

それから夏目漱石の旧邸、徳富蘆花の旧邸、小泉八雲旧邸など、日本の近代文学にゆかりの人々の足跡をたどったのですが、夏目漱石の旧邸だけは個人が管理しているらしく、写真は撮り放題。徳富蘆花は勢いのある筆致ですが、あまり上手な字ではないことを発見したり(解読不能な文字も多数)、小泉八雲の写真はどれも横顔だったり、比較的正面を向いているものでもカメラから目線を外していたりして、きっと自分の顔のベストポジションにこだわりがあるのだろうとか思ったりして、興味深いものがありました。

それから熊本市の市街地にあるレジャービルに。ビルの建設中に温泉が湧いたので、せっかくだからと最上階にでかいお風呂を作ったそうです。ジャグジーに露天風呂、打たせ湯などの設備も豪華で、ここ数日たまっている筋肉痛を癒しました。町中に当たり前のように温泉がある熊本って、いい街だと真剣に思ったり。

夕食はまぢまさんと馬肉を食らう。地元でも有名なお店で馬肉のしゃぶしゃぶコース。馬刺の握り寿司、馬のすじ肉のふろふき大根などもいただく。コース料理はとにかく美味で量もたっぷり。馬刺のレバーは牛の生レバーよりも臭みがなくて、さっぱりした味。たてがみの部分のお肉も美味。納豆が食べられないので、桜納豆(納豆と生の馬肉の和え物)はパスさせてもらいました。ホルモンの味噌煮も美味しいし。しゃぶしゃぶも美味しい。どんどん食べて、最後に雑炊で仕上げ。それからデザートをいただきました。

まぢまさんは司書より30センチ近く背が高くて、がっしりしてます。そのまぢまさんと同じだけのお料理をいただきました。で、食べる早さも殆ど一緒だったので、びっくりされて笑われたりして、でも店を出てから別腹のアイスクリームを食べた時、まぢまさんに勝ちました。アイスクリームは少し多かったらしい。というわけで、大食らい勝負は司書の勝利に終わりました。


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