大阪・南九州紀行―4―

　

大阪・南九州紀行―4―

4日目。熊本市内から鹿児島市内へ移動。

鹿児島市には都城市に住んでいた時に知り合った友人がいるので、今回のツーリングで5年ぶりの再会を予定しておりました。しかし、幼稚園に通い始めたばかりの彼女の息子が週に1度の割合で知恵熱を出すらしいので、前日まで会えるかどうかは確定してません。会えない場合は島原半島を回る予定でしたが、昨夜の電話では会うことができるようでしたので、鹿児島市内に宿の手配。熊本市では法華クラブというビジネスホテルに宿を取りまして、そこが鹿児島市内にもホテルを出していることを知り、チェックアウトの際に鹿児島の予約をお願いしました。トイレとお風呂が共同のお部屋は料金が安くなると聞き、迷わず安い方を選ぶ。

ところで熊本から鹿児島市内へのルートは実に様々ありまして、最も肉体的に楽なコースが九州自動車道を使うルート。通行料金は必要ですが、ゆっくり走っても3時間もあればお釣りがきます。次に九州自動車道に比較的沿ったコースをとる山越え・峠越え。時間的には5～6時間。ただし、人吉や霧島辺りの道は殆ど林道に近いものがあります。霧島付近の道は都城に住んでいた時、仕事で何度か自動車で走ったことがあるんですけども、けっこうな道です。そろそろ疲れもたまってるし、高速で鹿児島入りしようかしら。でも午後から鹿児島の市内観光をする気もないというか、もう何回か行ってるしなあぁ……。つーことで、山越えよりもコーナーが緩やかだと思われる南九州東海岸線を走ることに。国道3号線を道なりに南下。八代・水俣・出水・串木野を経て鹿児島市内へ入るコースを選んで出発。全行程はおよそ200キロ。

海沿いの道は心地よい風が吹き、道も適度なコーナーで非常に快適。海だけではなく、時には山の中も走るという変化に富んだルートでして、かなり楽しめました。で、出水市に近づいた辺りでパトカーの集団とすれ違う。3台とも緊急走行をしていまして、しばらくすると緊急走行中の覆面パトカーに会って、何事かと思っていると検問。白バイやら警官やらが10人前後いまして、当然速度を落として検問に備えたわけですが、バイクに乗った司書は対象外だったらしくて停止ではなく、『止まらんと、とっとと行ってまえ』てな感じでシッシッってされましてね。で、バックミラーをのぞき込むと、止められているのは白の乗用車。軽自動車とか普通車とかの区別はなし。で、県外ナンバーも問題外になってました。出水市と川内市の境界付近で再び検問。こちらも前回と同様の措置がとられてまして、こちらとしては一体何があったんやろかってな感じです。バイクは車と違ってラジオないですからね。ニュース聞けません。で、翌朝のニュースで、その頃に出水市で殺人事件があったことを知り、司書は非常線を通過したのだということを知りました。

ふと後ろを見ると、長距離トラックがおります。しかも青森県ナンバー。大型車の直後を走るのはおっかないので、前にまわらせてもらったんですけど、その時にドアを軽くノックして挨拶したので、運転手さんはとってもフレンドリー。バイクは車の死角に入りやすいので、安全確保のためにもできるだけ存在をアピールしなくてはなりません。で、司書は割とオーバーアクション気味の挨拶をします。そうしたら割り込んでも気を悪くされることもなく、その結果煽られるという事態も避けられるんですな。で、後ろのトラックにも挨拶していたので、バックミラーをのぞき込むと、時々手を振ってる姿が見えたりして、こちらも手を振り返したりしてます。信号待ちの時とかだけですけどね。串木野付近でトラックは枕崎へ、司書は鹿児島方面へ向かうのでさようならの挨拶をして別れました。

鹿児島市内に入ってからは、ホテルを目指すためにまず西鹿児島駅へ。西鹿児島駅が鹿児島市の市街地の中心となっているので、全体を把握するにはぴったりです。つーか、方向音痴の司書は、こうでもしないと位置とか方向とかがわかんないだけ。で、ホテルでもらった地図とか道路マップなど見比べて方向の確認などしてますと、若いお兄さんに声をかけられました。北海道からヒッチハイクで日本を回っているという彼の歯並びは、ちょっと見とれるくらい乱れております。左右の前歯が折り重なり、隣の歯が奥に引っ込んで、その隣の歯が前に突出しているという、乱杭という表現が相応しいような歯並びを久々に見ました。

ライダーとかヒッチハイカーとかチャリンダー（自転車に乗ってる人）は一人旅のことが多くて、同じように一人旅をしている人間を見かけると、かなりフレンドリーに話しかけてきます。フェリーとか観光地とかね、そんな所でばったり会うと何となくお茶したりもしますね。その後もつるむってことはまずないですけども、それも旅の思い出の一つってとこです。

ホテルにチェックインして友人に電話。風呂で汗を流して待ち合わせの時間まで一眠り。この日はとにかく暑くて、信号待ちなんかで止まるたびに汗が噴き出て、走り始めると汗が引くというか、汗が風で乾くという感じでしてね。汗くさいんですよ。で、さっそく共同浴場に行ったわけです。

友人と息子（3歳半）と食事。タイムレンジャーと仮面ライダークウガの話題で、友人そっちのけで3歳半の子どもと盛り上がる。

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