リベンジ・北海道紀行―3―


国道232号線をひたすら北上して、途中で海沿いを走る道道106線(これも日本海オロロンライン)に入って北の日本海を堪能する。

サロベツ原野を見物したり、道の駅で芋餅とかソフトクリーム食べたり。バイクの時ほどではないけど、自動車を運転してても腹は減る。日本海沿いの道路のからすぐの所には風力発電用の風車が林立。場所によってはソ連で制作された昔のSF映画のような風景が広がってたりして、写真とか印刷物からは想像できなかった巨大さに圧倒されたり。

しかし、風が強い。愛車スバル・ビストロのハンドルが突風のために時々うろついたりするくらい、風が強い。道の駅とか駐車スペースで車外に出た途端に突風に晒されるくらいで、足を踏ん張ってないとまともに歩けないような、そんな感じ。日本海は沖のほうまで白波が立ってたりして、こりゃ、予定を変えるかと思う。

実はノシャップ岬から出るフェリーで利尻島に渡ろうと考えてたんですが、この風で利尻に渡ったとして、悪天候のために戻れなくなったらどうしようとか思ったわけです。フェリーの発着時間を確かめながら無事にノシャップ岬に着いたものの、まっすぐ歩くために気力がいるような風の中、フェリーに乗る勇気はございませんでした。ホンマにエライ風やってん。あと、けっこう寒いし。

とりあえず食堂でもずくラーメンを食べる。足りないのでおにぎりを追加。もずくラーメンは塩ラーメンであっさりして美味しかった。土産物屋の店先でソフトクリームを食べる。やっぱ、美味しい。

ノシャップ岬を見て、ノシャップ寒流水族館を見学。水族館では甲殻類とか軟体動物が苦手な彼女を連れたオッチャンがおった。彼女がキャーキャーうるさい。嫌なら来んなとか、マジで思う。本物の「流氷の天使・クリオネ」を見る。因みにこの名前は登録商標です。つーか、こんなもんまで登録すんのかと思う。みんなの人気者(と、ガイドブックには書かれています)のアザラシは専用プールでだれてて、愛想もクソもなかった。稚内港でロシアというか樺太方面行きのフェリーを眺めたり、ローマ風のデザインの北防波堤ドームを眺めたり、土産物屋をひやかしたり。

相変わらずの強風で、帽子を被らないと髪の毛が邪魔で前が見えないくらいで、こんな中でバイクで走ったらエライ目に遭うやろうな、車で良かったかもとマジで思う。

そんなこんなでこの日の宿を探す。稚内ユースホテル。案の定道に迷って、稚内の駅で道を尋ねると、駅員さんはニコニコと笑いながら

「ほら、あそこね」

と窓から見える山の中腹を指さした。それだけ。そこまでの道を教えてほしかったのに〜。おおらかにもほどがあるやろうとか思いつつ、指さされた方向に向かいながら、何とか自力で道を探す。住宅地の外れにあるユースホステルに到着するまでに1時間。方向音痴は辛いッス。チェックインしたお部屋は2階の『アスパラ畑』。他にも『ラベンダーの丘』だとかのファンシーな名前が並んでて、部屋には自由帳というか、一言書き残していくためのノートがあって、そういや、昔のペンションブームでこんなんあったよなぁなどと懐かしみつつ、夕食のために外出。近所で味噌ラーメンと餃子を食べる。

コンビニでデザートのヨーグルトとアイスクリームを買って宿に戻ると、姫路ナンバーのビストロ発見。その後、持ち主と風呂場で遭遇。風呂に浸かりながら談笑。車検が切れるまでに戻らないといけないのだと笑う彼女はスピード違反で捕まったそうな。風力発電用の風車に見とれていた隙にねずみ取りに引っかかったんだそうで、でも、私はそんなん未経験やったりするというか、地元ナンバーの車に煽られ追い抜かれてるから関係ないかなと言ったら、時速70キロで捕まったとかで、オロロンラインを平均85キロで走って私としては、そして、同じ道を同じ日に走っただけに、不運やったねぇとしか言えませんでした。


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