スキー板を買おう!1999年版


 ここは、スキー板を買おうと思っているけど、どんな板を買えばいいのかわからないと いうような、初心者を対象の部屋にしていこうと思います。
スキー板を選ぶ時、初心者にありがちなデザインで選んでしまうという人はいませんか? 実は私もそうだったので、密かに大勢いるのではないでしょうか?
今のスキー板は、スノーボードの影響で様々のジャンルが確立され、デザインではなく滑 降スタイルで選ぶ時代になりました。細かく分けると、無数に分かれてしまうのでここで は、簡単にわけることにしましょう。

1.コブ専用モデル(モーグル)
2.大回り向きモデル(カービングと呼ばれる板)
3.小回り向きモデル(どちらかというと従来の形状だがやっぱりカービング)
4.フリースタイル(エキストリームカーブなどと呼ばれています)

以上の4種類に私が勝手に分けさせていただきました。
では、基礎スキーはどれ?というともちろん2番目又は3番目です。
2番目、3番目はオールラウンドカーブというモデルに属しており、その中でもまた大回 向き、小回り向き、上級者向き、初心者向きと分かれています。
今は道具選び1つで、スキーの上達速度はかなり違います。コブ用を買ってもコブはうま くなりませんし、同様に大回りモデルをかっても、いきなりカービングターンができるな んてこともあるわけないのです。やはりうまくなるためには、練習としっかり習うことで すね。
ところで、カービングという言葉をよく聞きますが、カービングターンって何?という人も多いと思います。ここでちょっとカービングターンを説明しておきましょう。



上の図を見てもらうと分かると思いますが、カービングスキーと従来型スキーにはスキー の形状が大きく異なります。ぱっと見は、「しゃもじ」のようなカービングスキーに対して、従来型はとてもスマートな形状をしておりこれが大きな影響を与えています。    カービングスキーは、板の横っつらのカーブが大きく反っていることで、高速のターンで体を横方向に倒しても板が雪面にひっかかって遠心力に負けないで滑れるという仕組みです。(まあ簡単にいうとですよ)
また滑走速度にも大きな影響します。上でも述べたように「滑走速度をあげる=板が雪面 に食いつく」という関係になりますが、「板が雪面に食いつく=板が横滑りしない」という関係も成り立ちます。スキー板というのは誰でも知っていると思いますが、まっすぐ滑 っている時が一番速度がでるわけですよね。だから横滑り(これを「ずれ」と呼びます)しないスキー板というのは、雪との摩擦抵抗少なく高速なターンができます。この滑りをカービングターンと呼んでいます。板が横滑りをしないので、滑った左右の板のシュプールが2本のレールのようになって残っているのが特徴です。(下記図参照)


左がずれないターン:右がずれるターン

この滑りは、カービングスキーが発売されるまでは、選手だけのとっておきの滑りだったのです。しかしカービングスキーの登場で、ある程度の技術があれば簡単にカービングターンを楽しめるということで爆発的ヒットとなったわけなのだ。
すなわち、カービングターンとは、板のずれがない大回りのことをいいます。
発売当初のカービングスキーは、種類も少なく板を選ぶということするらできなかったのですが、今では全ての種類の板がカービングの要素を取り入れたといっても過言ではありません。そのカービングスキーの中で、我々基礎スキーヤー(普通の滑走スタイルは基礎スキーです)にとってどのような板がお勧めか検証していきましょう。

一般的なカービングスキーには、イージーカーブと呼ばれる板と、ピュアカーブと呼ばれる2種類の板が存在します。最近では、オールラウンドモデルとして称されることが多くなったのですが、店員さんに聞けばかならず教えてくれるはずです。
下の図を見てもらうとわかりますが、テールの太さに違いがあります。この違いは滑りにどのような影響を与えるかをこれから考えてみましょう。



体を深く倒しこむことのできない初心者のターンは、基本的に横滑り(ずれ)で成り立っ ています。先ほど、カービングスキーはずれないと言いましたが、まったくずれないわけ ではありません。
上手な人は、「ずれる」「ずれない」を使い分けて滑っています。しかし、カービングス キーは、ずれないターンをするために開発されているわかですから、非常に板をずらしに くいと言えます。初心者がもし上級者向けの板を履いたとしたら、板がずれなくて、まっ たく曲がらないという現象に陥る可能性が非常に高いです。そこで、スキーメーカーも考 えており、カービングスキーにも、ずれやすい、ずれにくい板というジャンルわけして発 売しています。これがピュアカーブとイージーカーブという2種類の板ですね。テールの 太さをしぼることによって、スキー板のテールをずれやすくしているのがイージーカーブ 。テールを太くすることでテールをひっかけてずれにくくしているのがピュアカーブとい うことになります。
これらの話をまとめると、「イージーカーブは初心者〜中級者向け」ということになりますね。また最近では、小回り向けなんて言う説明の札がついていたりもします。これはテ ールがひっかかりにくいということで、このように区分けをしているみたいです。
 2級取得は、はっきりいってイージーカーブでもまったく問題ないでしょう。現に恵利 花さんは、イージーカーブで2級を取得しました。私もイージーカーブを持っていますが とっても滑りやすくていいと思います。私としては、2級取得ぐらいまではイージーカー ブでも構わないと断言しましょう。それに上達はイージーカーブの方が早いと思います。 では「1級はどうか?」となると際どいところです。1級は「スピード」が要求されて、 なおかつカービング要素を取りいれた「ずれないターン」が求められるので、イージーカ ーブだとスピードに耐えられず、テールがずれ出してしまうためあまり向いているとは言 えませんが、別に駄目というわけではありませんよ。

また、隠れマニアとしては、サイドカーブにも注目しなければなりません。サイドカーブとはなんぞや?という人もいると思いますが、先ほどから述べている板の反りかえりのカ ーブの大きさのことです。
サイドカーブは、Rが小さければ小さいほどキュン!と曲がることができます。板の長さとサイドカーブにも関係あるので、一概には言えないのですが一応目安にはなるので調べてみるといいと思います。スキー用品屋では必ず「R=20」などと明記されていますので気にしてみるといいでしょう。 ちなみに、一本の板で全てのターンをこなさなければならない基礎スキーは「R=20〜R=30」がベストチョイスといわれています。
しかし、今ではR20以下でも基礎用として売り出されている板が数多くあります。
実際のところR20ぐらいが一番いいのでは?と私は思っていますが・・・。

以上でここの部屋を終わりにしたいと思いますが、基礎スキー(いわゆる一般のスキース タイル)をうまくなろうと思っている人の道しるべになったら幸いです。



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