2級を取るためのアドバイス

99/00年度より試験制度が変更になっています。
現在の試験制度とは違いますので注意してください。




 前々からこのコーナーは作りたかったのですが、2級を持っていない人
が言っても説得力がないので2級取得まで作るのを我慢していました(笑)
指導員や1級取得者からのアドバイスではなく、現役の2級の私からアド
バイスをするわけですから内容もそれなりです。逆にいうと無茶なことを
やれとはいいません。「これができれば2級ですよ」という内容にしたつ
もりですので2級を受験される方は参考にしてください。       
写真はスキージャーナル誌より使わせていただきました。       

SAJ2級とは?


 SAJは96年度に1級と2級の格差を無くすために2級のレベル改定
を行ないました。正確に言うと全部の級が全体的に難しくなったのですが
特に難しくなったのが2級と言われています。オーバーな話かもしれませ
んが、旧1級が現在の2級、旧2級が現在の3級なんて話を聞いたことも
あります。現在の2級は自己流で取得するというのは非常に困難だと思わ
れますが不可能ではないでしょう。                 
ただ自己流で2級を取った人が1級を取得することは不可能に近いと思い
ます。自己流で現在の1級を取得したという人を私は見たことがありませ
ん(^^; 必ずうまい人に習うことをお勧めします。          

 2級の検定種目は「ステッピングターン」「パラレルターン小回り」 
「パラレルターン大回り」「総合滑走」の4種目です。        
1種目70点以上で合計280点で合格です。実際の所の採点幅は67点
〜72点の幅なのでどんなに失敗した種目でも67点は出ます。また逆に
71点以上はあまり出ません。71点以上出たらその種目について自信を
持ってもいいと思います。                     
ここで勘違いしてはいけないのは、合計点数で280点以上でも、2種目
以上69点以下があったら不合格です。               

次項から種目別に解説して行きます。                


最大の難関!?
ステッピングターン踏み出し


 私はそんなに苦手ではないのですが、これを苦手とする方が多いようで
す。ポイントは、やはり「検定員に明確なステッピング動作を見せる」こ
とです。しっかり足上げ動作を見せ踏み出し、しっかり引き寄せること。
この動作を明確に出すためには、外足100%で曲る練習が効果的です。
最近はカービングスキーの影響で外足100%という滑りを教えることは
少なくなりました。しかしステッピングターンに限って言えばこの滑りを
マスターすると踏み出しに余裕がでてきますので効果的ではないでしょう
か?                               
外足100%の滑りとは?というと、ターンの前半から加重していない足
を完全にリフトアップしてしまうのです。ただ勘違いしてほしくないのが
リフトアップの仕方です。TOPを上げるのではなく必ずテールを持ち上
げます。TOPが上がってしまう人は後傾と思ったほうがいいかもしれま
せん。テールをリフトしたままきちんと曲がることができるようになれば
もうステッピングターンはマスターしたようなもんですね(^^)     
ターン始動寸前に足を平行に開き出し、谷足をリフトするつもりで持ち上
げ引き寄せます。この時ストックは突いても突かなくても構いません。 
これでステッピングターンの完成です。               
これぐらい明確にステップ動作を出すと◎



パラレルターン大回り



 基本的には普段皆さんが滑られているのがパラレルターン大回りだと思
います。普通に大回りをすれば70点が出るのですがここでの注意点は、
スタンスを肩幅ぐらいに保ち内倒を防ぐことです。中級者の典型的なパタ
ーンは内足にのってしまう内倒姿勢です。中級者は足を平行にぴったりと
くっつけて滑ることが上手になるための近道と思っている方が大勢います
がこれは間違った滑りです。                    
現在の流行りは足を開いて滑る!(笑)私は言いきりましょう!(^^;これ
がかっこいいのです。スキー雑誌のプロがパラレルターンをやっている写
真で足を閉じている写真がありますか?必ず開いているはずです。また足
を開くことで内足に乗ってしまってもごまかすことができます(笑)  
スタンスが狭かった人は、最初のうち非常に滑りにくいと思いますが慣れ
てくると足を開いた方がそのうち滑りやすくなってきますよ。     
また大きな声では言えませんが、少しぐらい後傾でも全然OKです(^^; 
ただ後傾にもいろんな種類があって、上体がのけぞる後傾はタブーです。
この場合の後傾とは、足首がうまく使えず速度が出てくると腰が少し引け
気味になっている程度ということです。私はこれに悩んでいます。   
この腰のポジションはコブなどの不整地に非常に弱く、ショックが吸収で
きず板が前に走ってしまい暴走します。わかっているのに直らない・・。
スキーは難しいなーとつくづく思います。              
後傾の解説をしましたが、「速度が出てくると後傾になる・・・。」とい
う人がほとんどなので後傾フォームが出ないぎりぎりの速度で検定を受け
るといいですよ(笑)                       
2級ならではの腰のポジションと板の向きに注目。


パラレルターン小回り

 昔の言い方でいうウェーデルンというやつです。大回りがきちんと滑れ
る方は小回りも比較的楽に行けるはずです。私は小回りよりも大回りの方
が難しいと思います。小回りは多少失敗してもリズム変化が速いので、ご
まかせてしまえるのです。2級の小回りは、ずれを多用したターンでも合
格可能でしょう。左右均等の弧、なおかつ一定のリズムでまっすぐ降りる
ことができればOKです。その時のスピードは自分がいつでも安全に停止
できる速度で構いません。もし止まれない速度だったら「暴走」と検定員
は感じるかもしれませんので注意が必要です。ずれを使った滑りと言いま
したが左右に板を振るだけの滑りとは違います。1級では板を前に押し出
す動作による切れるターンを目指すのですが、2級ではこの切れるターン
一歩手前のずれるターンという意味合いで認識してください。そうすると
1級へ繋がるもっとも効率のよい練習方法だと私は思います。     
「ずれるターンでOK」という認識よりも「切れるターン」を目指す過程
でずれるターンを練習しているんだという認識が大事です。      
ストレッチング動作を多用した滑りが基本になります。



総合滑走

 総合滑走はとにかくスピードが命です。ただし暴走とは違いますので注
意が必要です。バッチテストにおいて暴走はすべての種目において厳禁で
す。                               
 総合滑走はもっとも点数の出やすい種目で、71点以上を是非とも狙い
たい種目です。総合滑走で71点をだせば他の種目で69点が出てしまっ
てもリカバリーが可能ですからね(^^)                
では71点を出すためには、何をすればよいか?ということですが、しっ
かりとリズム変化を検定員に見せてあげることです。別に上から下まで、
大回りや小回りだけでも上手に滑れれば70点はでますが71点は出ませ
ん。とにかく他の受験者より違う滑りをして検定員にアピールすることが
重要です。そのアピールとしてリズム変化をかっこよく決めてあげるので
すがリズム変化のもっとも理想的なものは              

「最初スケーティングを行ないスピードに乗せる」
↓
「大回りを2〜3ターン」
↓
「小回りを2〜3ターン」
(あまり小さいと減速するので気をつけて)
↓
「中回りで最後まで滑る」
↓
「ズバッ!っと止まる」
(検定員に雪をかけない程度に(笑))

これでばっちり!うまく決まれば72点も可能です。やはりポイントは、
小回りです。滑りにうまく強弱を見せることが重要ですが、かなりのハイ
スピードからの小回りへの変化となるため減速しすぎにには注意してくだ
さいね。自信のない方は、小回りというより小さめの中回りでもいいと思
います。ただ最後の中回りよりは小さくすることが重要です。     
最後までスピードを殺さずにおりてくることが絶対条件です!     
理想のラインはこんな感じでしょう。



しっかり習うとしっかり教えられる法則

 私が最近感じるのは、しっかり教わると人にもしっかり教えることがで
きるようになるということです。自分がどのように習ったかで教え方も習
得できるのです。ただ私も恵利花さんにスキーを教えますが(同じ2級な
んだけど私の方ちょっとうまいようです(^^;)自分が何気なくできていた
ことを、できない人に教えるのは大変苦労します。「何かが違うなー?」
というのは解るのですが、何処が違うのかわからない。また解っても考え
たことがないので、教え方がわからないという現象が起きます(笑)  
よく考えてみると「どうやって歩いてるの?」といわれて教えることがで
きないように、誰にも習わず出来たことは教えることができないのです。
だから苦労をしてうまくなった人ほど指導員に向いているのかもしれませ
ん。それでは2級を受ける方頑張ってくださいまし〜         


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