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勝ち虫童子(杭付き)

1997制作、
高さ65×幅30×奥行き30(cm)ブロンズ

 茶道や伝統意匠の世界では、とんぼ
のことを「勝ち虫」と呼び縁起のよい
図案として珍重いたします。とんぼは
蝉とおなじく羽化による変態を通じて
成虫になります。幼虫は、水のきれい
な池に住み虫やちいさな魚を食べて成
長します。水田の多い日本には、とん
ぼが古代からたくさんいたようで、日
本人にはとても親しみのある昆虫です。
蚊や蠅を食べてくれる益虫ですし、夏
のおわりから秋にかけて、ちょうど稲
が実るころにたくさん現れるため豊壌
のイメージがあるのかもしれません。
古くから文学作品や身の回りの意匠に
たくさん使われています。     
 勝ち虫童子はうつせみ童子とともに、
Metamorphosisのシリーズのひとつです。