錯 覚



思考の海を漂っていた私に差し出された
白い陶器の灰皿に理由などない。
そこに何か別のものを求めてみるのは
愚行でしかないというのに――。
愚かであるが故に
飛葉が時折見せる、歩み寄るかのような行動に
醜態をさらしてしまいそうになる。
その心の琴線に微かに触れたと感じたことさえ、
浅はかな錯覚に過ぎないというのに――。


いっしー・石井様よりいただいたイラストに
ポエミーな小作品を献上させていただきました。
窓際に追いやられたサラリーマンのような草波が
中間管理職の悲哀をリアルに物語っています(笑)。
もち肌の飛葉がノースリーブのシャツを着ると、
目を奪われて仕事にならないか、ちょっと心配。

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